林一平
Ippei Hayashi
木彫
- Studio Goodvibrationʻs代 表
- 社団法人 二科会 会員
- 石川県美術文化協会委員
- 金沢美術工芸大学彫刻専攻
- 非常勤講師
故人を偲んで
本業は舞台の大道具制作や他の作家さんの作品を飾る空間造りをお手伝いすることで、その合間を縫って自身の作品の制作を行っています。私は自分の作品を見てくださる方に、身近なところに飾って見てもらいたいという想いが制作にあたっての衝動となっています。美術展での賞を狙うという気持ちも以前はありましたが、今はそれよりも自分が展示した作品を美術館でどう映るかを感じたり、お客さんがどう見ているかの反応を見たりするのが毎回とても楽しみです。自分の作品の前で立ち止まって見てくれている方に声をかけてお話を聞いたりするコミュニケーションも次回作の意欲になっています。
自分の作品造りで「生命の尊さ」を表現することが大きなテーマとしてあります。ピアノをモチーフにした作品などは単にピアノを見て欲しいということではなく、実際はそこには映っていないけれども、亡くなった故人がそのピアノを楽しそうに弾いている姿を想像して制作したものです。また、蓮の花のモチーフは、生前たいへん苦労された故人を安らかに昇天させてあげたいという気持ちから、蓮の花が天に突きさしているような造りとなっています。近年、自分の作品には実際は目には見えないところを含めて空間想像した作品が多いですが、生命の尊さ、歓びや不安などの感情を自分の作品を通して感じていただけるような、そんな作品をこれからも造っていきたいと思っています。